タムロンは,熱画像と温度計測の両立を実現したシャッターレス小型遠赤外線カメラモジュール3機種を2020年8月28日に発売する(ニュースリリース)。
「LW10F90-E」(水平画角90°,f=1.9mm),「LW10F42-ET」(水平画角42°,f=3.7mm),「LW10F12-ET」(水平画角12°,f=13mm)の3機種。昨今,畜産や農業分野での温度管理や産業用途での温度計測等,さまざまな分野で適切な温度管理を求める需要が高まっているとし,これらの市場要求に対応するために,異なる焦点距離のレンズを搭載した3機種を発売することになった。
一般的な遠赤外線カメラモジュールは,定期的にメカニカルシャッターを切り,リファレンスデータを取得することで,温度精度を保ち熱画像の安定化を実現しているが,シャッター駆動時にシャッター音が発生して画像が途切れてしまう課題と,メカニカルシャッター自体に耐久性の課題があった。
同社は,温度変化時の温度再現性に優れたアモルファスシリコンを使用した遠赤外センサーを採用し,画像処理技術,光学技術を融合させて,メカニカルシャッターによるキャリブレーションを必要としないこれらの製品を開発した。
遠赤外線カメラモジュールは,暗闇の中でも温度を感知して映像化できるため,安眠を妨げない看護や介護等の「見守り」,照明器具がなくても夜間の監視を可能とする「人感検知」,設備機器管理等の「温度異常検知」の使用用途に活用されているとし,これらの製品により,シャッター音が無く,画像の途切れがない「見守り」,「人感探知」,「温度異常検知」が実現可能になるとしている。
温度計測については,同社独自の温度演算処理を行なうことにより,シャッターレスという厳しい条件の中で温度精度±2℃を実現。さらに,さまざまな産業用途での使用を想定し,防塵・防滴に対応する機構を採用しているという。