DMG森精機は,旋削やミーリングなどの切削加工を行なう複合加工機にレーザー金属積層造形技術であるアディティブマニュファクチャリング(AM)を融合し,大きな積層造形領域を持つレーザー金属積層造形機「LASERTEC 6600 3D hybrid」の販売を開始した(ニュースリリース)。
積層造形の市場は,これまでにも飛躍的に成長してきたが,その使用範囲は従来の切削加工ではできなかった,試作品や小さい部品の製造に限られていた。この製品は広い積層領域を備え,金属の積層造形と切削加工が1台の機械で可能になるため,従来の加工方法ではできなかったことを補うだけでなく,さらに進んだ加工を実現できるというもの。
例えば,金属材料粉末とレーザーを同時に照射し,積層と溶融を行う指向性エネルギー堆積法(Directed Energy Deposition)を採用しており,積層と溶融を同時に行なうことができるため,造形時間が早く,異なる金属材料粉末の積層も可能。1つの素材の上に少しずつ異なる素材を積層することで,複数の素材を融合させて1つの製品を造ることができる。
また,工具主軸に金属材料粉末とレーザを同時に照射するAMノズルを搭載することで,B軸を加えた5軸の積層造形を行なうことができるため,ワンチャッキングでの加工が可能となり,長時間の自動連続積層造形にも対応するという。
積層造形領域は,X軸:1,040mm,Y軸:-280~+330mm,Z軸:3,890mm。最大積層ワークサイズは,Φ1,010×3,702mmに対応するため,航空宇宙産業のロケットエンジンやエネルギー産業の油井管,輸送機のシャフトなどの大型ワークの積層造形に対応できるとしている。