日本電気硝子は,フォルダブル(折畳)ディスプレーのカバーガラス用に世界最薄となる薄さ25μm(0.025mm)の化学強化専用ガラス「Dinorex UTG」の開発に成功した(ニュースリリース)。
同社は,スマートフォンやタブレットなどの携帯端末のカバーガラスをはじめ,車載ディスプレーなどのディスプレー画面を傷や衝撃から保護するために開発された化学強化専用ガラス「Dinorex」を生産・供給してきたが,今回,フォルダブルディスプレーにも対応できる非常に薄い新製品をラインアップに加えた。
この製品は,同社のディスプレー用薄板ガラスの製造で培ったオーバーフロー技術によって成形され,高い表面平滑性と板厚の均一性により,直径3mm(R1.5)の折り曲げが可能。カバーガラスに使用することで,信頼性の高いフォルダブルディスプレイの実現が可能になるという。
これまで,薄い化学強化ガラスを作る場合は,厚い元板からスリミングを行なう必要があったが,この製品は,ガラス成形工程で直接薄い板ガラスを作ることが可能なため,スリミング工程を省くことができ,環境負荷物質の使用削減とコストダウンを実現することができるとしている。
対応板厚は,25,30,40,50,70〜250μm。出荷形態はシートおよびロール梱包となっている。