関西ペイントは。自動車産業向けのグローバルカラーコンセプト「Alone but not Lonely」を開発した(ニュースリリース)。
このコンセプトは2つのテーマ「Connected future」(実現していく理想の未来像に注目し,近未来に必要な技術や思想を盛り込んだ新しい領域の塗色)と,「A cup of tea」(何にも縛られず,ひとりの時間を悠々自適に楽しむ動きに注目し,落ち着いた印象の中にも強いこだわりを感じる塗色)から成る。このうち,「Connected future」の一色である最新の黒「Black panther」は,LiDAR技術に対応した塗色。
自動運転車のセンシング技術のひとつであるLiDARは赤外線レーザーを照射し,対象物から戻ってきた反射光を検出することで距離を測定する。ただし,漆黒性の高い対象物は,検出感度が著しく低下する問題があった。この塗色は,独自の技術により赤外線域でも高い反射率を確保し,漆黒の意匠でありながら赤外線域の反射光の検出を可能にするというもの。
アルミフレークやパール顔料を付与したブラックは,ある範囲を超えるとグレーに見えてしまうことが度々あるが,同社では自動車ボディーカラーにおいてグレーとの境界が曖昧なエフェクトブラックの領域を定義するため,自動車ボディカラーにおけるエフェクトブラック塗色についての研究を行ない,その成果を開発に応用したという。
なお,この研究は日本色彩学会第51回全国大会で発表された。