オリンパス,最上位内視鏡システムを海外で発売

オリンパスは,内視鏡システム「EVIS X1(イーヴィス エックスワン)」を2020年4月から欧州・アジア一部地域で発売する(ニュースリリース)。

この製品は,内視鏡による病変の発見・診断・治療の質や検査効率の向上を目指した新技術を搭載し,がんなどの消化器疾患の早期発見・早期診断・低侵襲治療に用いられる。

従来システム「EVIS LUCERA ELITE」および「EVIS EXERA Ⅲ」の導入から約8年ぶりにモデルチェンジする同社最上位機種の内視鏡システムとなり,EDOF(Extended Depth of Field),RDI(Red Dichromatic Imaging),TXI(Texture and Color Enhancement Imaging),狭帯域光観察(NBI:Narrow Band Imaging)など,世界で増加する大腸がんをはじめとする消化器疾患のより高精度な発見・診断・治療を支援する同社独自の技術を搭載した。

また新機能の導入に加え,「EVIS LUCERA ELITE」と「EVIS EXERA Ⅲ」という従来別々だった2つのシステムを統合し,それぞれ従来機種のスコープとの互換性も確保している。これにより,新システムだけでなく2つの従来システムの特長ある幅広いラインアップのスコープが使え,内視鏡による診断・治療の可能性が拡大する。

同社は,さらなるイノベーションに対する取り組みとして,人工知能(AI)を取り入れた次世代技術を開発中という。AIを活用した病変検出・鑑別診断などの内視鏡診断支援の実現に向け,新ソリューションの開発に取り組んでいる。

2018年の全世界における大腸がんの新規罹患者数は180万件に上り,86万2000人が命を落としており,さらに2030年までに大幅な増加をすると予測されている。一方,大腸内視鏡における医師の腺腫発見率が1%上がるごとに,大腸がんの発生リスクは3%下がるという可能性について報告されている。早期発見・早期診断は,大腸がん予防を左右する重要な要素となる。

この製品は,操作性,観察性能,効率性の向上による低侵襲治療をサポートする機能により,大腸がんのより確実な診断や治療に貢献するとしている。

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