ウシオ電機の高出力赤色レーザー「HL63520HD」が,2020年度 第12回「レーザー学会産業賞」の奨励賞を受賞した(ニュースリリース)。
レーザー学会産業賞は,レーザーに関する製品・技術の開発,実用化,普及などにおいて,国内のレーザー関連産業の発展に貢献しうる優秀なものに対し授与される。その中でも奨励賞は「市場の開拓および将来性が期待されるもの」に与えられるもので,今回,以下の点が評価され受賞に至った。
・世界最高光出力および電力変換効率を達成した技術力は非常に高く,世界トップ2の赤色半導体レーザーメーカーの製品として実績がある。
・大型プロジェクター,レーザーTV等用に市場成長が見込まれるとともに,潜在市場の大きな車載ヘッドアップディスプレーやAR/VR向けヘッドアップディスプレーへの展開も期待でき,将来性も高い。
今回受賞した同社の高出力赤色レーザーダイオード(LD)は,レーザープロジェクター向けとして2019年4月より販売を開始しており,従来のランプタイプのプロジェクターと比較し,長寿命かつランプ交換が不要などTCO削減に貢献できること,更にレーザータイプの中でも,光源に赤色LDを搭載した製品は優れた色再現性を高効率で実現できることから,今後も赤色LD搭載のプロジェクターの普及拡大に貢献していくとしている。
製品の特長は以下の通り。
1. 世界最高のパルス光出力3.5Wを実現し,寿命MTTF20,000時間以上を達成。
2. 動作温度-10℃~45℃でパルス光出力3.5Wを実現。
3. 上限動作温度55℃でパルス光出力2.5Wを実現。
4. 世界最高の電力変換効率=43%を達成。消費電力の低減により冷却機構の簡素化を達成。
5. CW動作でも世界最高光出力2.4Wを実現し, 寿命MTTF20,000時間以上を達成。
6. パルス動作方式,CW動作方式のいずれのプロジェクターにも搭載が可能。