光産業技術振興協会は2019年度光産業全出荷額・国内生産額調査結果を発表した。それによると,2019年度の全出荷額は12兆8,469億円,国内生産額は6兆3,472億円になる見込みという。
この調査は光伝送機器・装置、光伝送用部品などを対象とする情報通信分野,光ディスクを対象とする情報記録分野,カメラやプリンターなどを対象とする入出力分野,ディスプレー・固体照明分野,太陽光発電分野,レーザー・光加工分野,センシング・計測分野に関わる各製品の需要増減を示すもので,光産業市場動向の一つの指針となる。
今回の調査結果で特に好調を示したのが,情報通信分野で,6年ぶりにプラスの成長を見込んでおり,出荷額は5,158億円となった。2020年度は横ばいと予測している。特に5G関連需要が伸び,さらに海底ケーブルも堅調に推移したという。この結果は国内生産額にも表れており,こちらもプラス成長で,4,142億円を見込んでいる。
また,好調を維持しているものでは入出力分野だが,けん引しているのは監視カメラ,車載カメラで,それらに採用されるイメージセンサーも需要が増加している。入出力分野はデジタルカメラやプリンターの需要が足かせになっているものの,特にイメージセンサーの出荷額は1兆849億円と堅調な伸びを示している。
今回の調査では,新型コロナウイルスの影響を加味していないとしているが,全体調査の結果はそれほど大きく変動はないとする。また,2020年度予測についても新型コロナウイルスの影響は一過性のもので,その後の反動で市場は上向くのではないかという見方もある。しかしながら,米中貿易摩擦も懸念されていることから,光産業市場は分野によってはさらに下振れする可能性もあると指摘されている。
※詳細は月刊オプトロニクス2020年5月号に掲載予定。