パナソニックの光害対策型のLED防犯灯と道路灯が,国内メーカーで初めて,国際ダークスカイ協会(IDA:光害問題に対する取り組みで,世界的に先導的な役割を担う組織)による「星空に優しい照明(Dark Sky Friendly Lighting)」の認証を取得した(ニュースリリース)。
今回の認証は,光害問題に取り組むNPO団体であるIDAが認証するもので,主に,グレア(眩しさ)を必要最小限に抑えつつ,星空を見えにくくする上方への光の漏れが一切ないこと(上方光束率0%),青色光が少ない電球色となる3000K以下の色温度であることが求められる。
IDAに認証された防犯灯と道路灯は,星の郷として知られている岡山県井原市美星町の「美星町観光協会」からの要望がきっかけで開発を開始した。
2019年夏には美星町内に設定されたモデル地区において,一部改良型の防犯灯を設置するなどして,現地検証を実施。認証基準を満たすために,防犯灯,道路灯の一部商品において上方光束率0%,色温度3000K以下となるよう,仕様変更や新規開発により,米国のIDA本部の審査を通過し,国内メーカーとしては初めて「星空に優しい照明」としての認証を取得した。
今回改良を加えて認証を取得した「IDA認証照明器具」は,星空保護区における屋外照明の基準をクリアした,光害の観点で優れた照明器具となる。また3000K以下の色温度による温かみのある光で,落ち着いた夜の景観を演出し,人の暮らしと星空が共存するまちづくりへ貢献していく。さらに今後,「星空保護区」の認定を目指されている地区などに,「IDA認証照明器具」として提案していくという。
また同社は今後も照明の基本性能向上を追求しながら,照明のさらなる可能性を信じ,人に寄り添い,家,街,社会でのより快適・安全・豊かなくらしの提供と新たな快適空間の創造に取り組んでいくとしている。