キヤノンマーケティングジャパンとキヤノンプロダクションプリンティングシステムズは,64インチ対応UV硬化型大判プリンター「Colorado 1650」を2020年1月より発売する(ニュースリリース)。価格は980万円(税別)。
同社は今回,主にサイン&ディスプレー市場を対象とした,64インチ(約1.6m幅)ロールtoロールプリンターの新製品を発売することにより,プロダクションプリンティング事業の強化・拡大を進める。
大判印刷においては早くからインクジェットの導入が進んでいるが,インクジェットテクノロジーにおいては生産性がデジタルシフトのボトルネックになっている。
この製品は,新開発の「FLXfinish」テクノロジーにより,インクの硬化タイミングを制御することで,グロス調とマット調の2つのモードのプリントを一台で可能にした。塩ビはグロス仕上げ,ターポリンはマット仕上げなど,アプリケーションによって使い分けが可能となる。
また,「UVgel(ユーブイジェル)」テクノロジーはグロス調の最高速モードで毎時159m2,高品質モードで毎時40m2,マット調では最高速モードで毎時46m2,クオリティーモードで毎時27m2を実現している。
低温でのLED硬化により熱に弱いとされるフィルムや糊付き塩化ビニル,壁紙などへの出力に加え,従来のインクより柔軟性を185%向上させたことにより,さらに多彩なメディアへの対応を実現した。エコソルベントやラテックスプリンターに比べ最大40%のインク使用量の削減を実現する。
45インチ以上のロールtoロールプリンターの国内市場は今後拡大が予想される。新製品はこの市場のハイボリューム層をターゲットとし,大量出力の需要に対し高生産性を提案するとしている。