NII,東京-大阪の学術ネットを400Gb/sに

国⽴情報学研究所(NII)は,学術情報ネットワーク「SINET5」の東京―大阪間に,世界最高水準の長距離400Gb/s回線を構築した(ニュースリリース)。

「SINET」は⽇本全国の⼤学・研究機関等が利⽤している通信ネットワークで,NIIが構築・運⽤している。現在運⽤している「SINET5」は,2016年4⽉の運⽤開始時に全都道府県のデータセンター(DC)間を超⾼速の100Gbps回線で結び,さらに2019年3⽉には欧州,⽶国,アジアの国際回線も100Gb/s化した。

現在では920以上の⼤学や研究機関が各地域のDCに接続しており,国内外の任意の研究拠点間で世界最⾼レベルの通信性能を提供している。

「SINET5」は活発に利⽤されており,⼤学・研究機関等が集中する関東エリアと関⻄エリア間での通信需要が増加している。今後も,全国の研究機関等における災害対策データバックアップ,⼤型研究プロジェクトによる⼤規模なデータ転送,フルスペック8K⾮圧縮映像を活⽤した医療分野での研究利⽤などにより,関東エリアと関⻄エリア間の通信容量増強の必要性が⾼まっていくと予想する。さらに,SINET国際回線の100Gb/s化による国際連携の拡⼤などによる通信需要の増加も⾒込まれているという。

そこで今回,東京-⼤阪間に⻑距離・⼤容量伝送に優れたコア低損失⼤⼝径ファイバケーブル,最先端の⾼度デジタルコヒーレント光伝送装置を利⽤した光ファイバー総距離600km以上の400Gb/s回線を新たに構築し,通信容量を増強した。

この⻑距離回線は,実⽤的なネットワークに組み込んでの運⽤としては世界最⾼⽔準の⼤容量回線となる。これにより,関東エリアと関⻄エリア間の通信において,品質が劣化する原因となる通信の混雑状態をなくし,より安定した通信の確保が可能となる。

また,今回新たな基盤として構築する400Gb/s回線の運⽤から得られる知⾒は,2022年4⽉運⽤開始予定の次期「SINET」の設計・構築に活かしていく予定としている。

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