ウシオら,小型吸光度計のグローバル展開を開始

ウシオ電機とヤマト科学は,共同ブランド商品の小型吸光度計「PiCOEXPLORER(ピコエクスプローラー)」のグローバル展開を開始する(ニュースリリース)。価格は9万8千円(税別)。

この製品は,分析・センシング分野で業務提携しているウシオとヤマト科学の共同ブランド商品の第一弾として今年6月下旬より国内販売が開始されたもので,今回,12月の北米での販売を皮切りに,東南アジアやヨーロッパなどに順次展開していく。

手のひらサイズで,迷光や散乱ノイズを除去する光学空間フィルター技術であるウシオのSOT(「Silicone Optical Technology」の略。光学系部分を特殊な加工を施したシリコーン樹脂で形成し,コンパクト,低コスト,かつ非常に高い迷光除去を実現)を搭載した小型吸光度計。

検量線を自身でいくつでも作成できるため,1台で複数項目測定が可能。また,測定時間はわずか1秒で,チューブのまま計測できるため手間を大幅に削減し,短時間で数多くの測定ができる。

主な用途として,細菌の濁度測定,タンパク質の定量(BCA法,Bradford法),抗酸化活性測定,アミノ酸の測定(ニンヒドリン法),グルコースの定量,環境水分析,重金属の分析などがある。

またこの製品は現在,大学や研究機関などを中心に,主に菌濁度の測定などの実験・研究や河川などでの水質調査や呈色反応(化学反応の一種で,発色または変色を伴う化学反応。発色反応ともいい,定性分析や比色分析,容量分析などに利用される)による濃度の定量化利用されており,これら水質や土壌などの環境汚染予防や監視をはじめとした簡便かつ広域に対応できる測定システムの必要性は国内のみならず,海外でも高まっているという。

しかし,これらを測定できる従来の吸光度計は移動ができない据え置き型が多く,共用設備となっているため,測定作業の非効率さが指摘されていた。

これに対し,同製品は持ち運びができるコンパクトな手のひらサイズ(外形:H150mm×W70mm×D30mm,重さ:0.2kg)でng/mLレベルの高精度な測定能力を有し,かつリーズナブルな価格を実現した。場所や時間を選ばず,一人一台保有可能な吸光度計をグローバルに提供することで、最適な測定環境の構築・改善をサポートしていくとしている。

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