セイコーエプソンは,各種製造ラインに組み込める小型で軽量な分光カメラを開発した(ニュースリリース)。
製造業では,一般的な製造工程で発生するロットごとの色味の違いを一定程度に抑え,製品品質を確保するために,色のバラツキ検査や表面コーティングの確認検査を行なうことがある。
これらの検査において,現在普及しているRGBカメラでは詳細な色情報の取得ができず,微妙な色の違いを判別できない場合がある。そのため,人の感覚に頼った目視での確認検査が主流だが,目視検査でも,作業者ごとのバラツキ,検査ミスの発生により不良品を市場流出させるリスクがある。
また,従来の分光カメラは大型・高価で,さらにラインセンサー方式の場合はスキャンした後に画像を合成する場合もあるなど,色味の管理には手間とコストがかかることから,産業界の多くの顧客が「色味の管理」に関する課題を抱えている。
同社は,これらの課題に対する最適なソリューションとして,製造ラインに組み込める小型・軽量の分光カメラを開発した。顧客の色味の管理に関する工程に対し,3つの価値「自動化により検査を定量化できる」「製造ラインの中に組み込める」「合成の手間無く画像を出力できる」を提供する。これらにより,ものづくりに取り組む顧客は,従来よりも手軽に製造工程における色味の管理を行なうことが可能になるという。
分光カメラの主な特長は以下の通り。
・RGBカメラと同程度の小型・軽量サイズ。製造ラインに設置可能
・面で計測する面分光。指定エリアを一括計測し色ごとに識別可能
・分光機能に加え,製造ラインで必要とされる画像処理機能も利用可能
主な仕様は以下の通り。
波長帯域:400~700nm
バンド数:16バンド
波長分解能:45nm
画像解像度:1,024×768(XGA)
サイズ:35×40×70mm
重量:175g
なお,12月18日~12月21日まで,東京ビッグサイトで開催される「2019国際ロボット展」のエプソンブース(ブース番号 S1-02)にて「分光カメラ」の参考展示を行なう。