東芝機械は,金属3D積層造形装置「ZKシリーズ」を発表,11月1日より受注を開始した(ニュースリリース)。
同社は2014年から技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)に加入し,経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトにて金属積層造形装置の開発を進め,今回,小型から中・大型部品まで幅広い対応を可能とする製品ラインアップを用意した。製品の主な特長は以下の通り。
<主な特長>
・生産性向上やコスト・環境負荷低減に貢献
同機は,付加製造(Additive Manufacturing:AM)を実現する装置で,積層造形のエネルギー源にレーザーを用い,材料の金属粉末を供給しながら造形する指向性エネルギー堆積方式(Directed Energy Deposition:DED)を採用した。DED方式は,従来の切削加工による製法に比較して必要とする材料が格段に少量で済むことから,材料調達納期短縮,材料重量削減などの生産性を向上,廃材が極めて少ないことによる環境負荷低減が期待できるという。
・DED方式ならではの次世代の設計・製造に活用
DED方式の採用で,型を必要としないモノづくり,既存部品への部分的な肉盛り造形,異種粉末の併用による複層化など次世代の設計・製造に活用可能となる。
・同社開発部品の採用で,高速・高精度造形を実現
同機は,1~6kWの高出力レーザーに対応可能な同社製光学ヘッドおよび材料の金属粉末供給量を増加し,高い収束性を実現した同社製ノズルを採用することで,高速造形,高精度な造形を実現する。なお,同社部品の製作にあたり,TRAFAMおよびNEDOとの研究開発プロジェクトの成果を基に開発した。
・導入前から導入後までの幅広いトータルサポート
同社の保有する技術ソリューションを用いて,装置の導入前から導入後まで幅広くサポートし,顧客の価値創出に貢献していく。
なお同シリーズは,200×200×200mmの小型から1,000mm以上の大型部品造形に対応,販売価格は5,000万円からを予定している。