日本電気硝子は,高精細造形に適したセラミックス3Dプリンター用ペーストを開発し,サンプル供給を開始した(ニュースリリース)。量産開始時期は2020年春頃を予定。
セラミックス材料は,その優れた強度,耐熱性,耐薬品性等により,電子部品を中心にさまざまな用途に利用されている。さらに,3Dプリンターの造形材料のひとつとして,セラミックス材料が採用されるケースが増えつつあるという。
同社は,長年培ったガラスの材料設計,粉末加工技術を駆使し,主体となるセラミックス粉末に同社で開発した粉末ガラス等を混ぜ合わせ,セラミックスの高精細造形を実現できる3Dプリンター用ペーストを開発することに成功した。
通常,3Dプリンターの光造形法の材料には,造形物を硬化させるために紫外線硬化樹脂が含まれている。今回開発した粉末ガラス等を材料に混ぜ合わせることで,紫外線硬化樹脂の硬化幅や深度をより高精度に制御でき,より複雑で精密な造形が可能になったとしている。
従来のペーストでは達成不可能であった10ミクロン単位での造形パターンまで対応でき,特に,ラインアンドスペース(パターンの幅とパターン間の間隔)が小さな造形物の製造に適しているという。