大日本印刷(DNP)は,明るい場所でも鮮やかな映像を表示できる透明スクリーンを,ハウステンボスが運営する「変なホテル ハウステンボス」に導入した(ニュースリリース)。
2015年の誕生以来,先進技術や無人化店舗の導入で生産性を追求してきた「変なホテル ハウステンボス」は,世界初のロボットが働くホテルとしてギネスにも認定されている。
同社の透明スクリーンは,10月24日からプレ運転期間を経て透明スクリーンに投影されたバーチャルキャラクターが従来のロボット受付に替り,ホテル利用客へのチェックイン・チェックアウト手続きを案内して利用客を楽しませているという。なお,バーチャルキャラクターについても同社制作のキャラクターが採用されている。
同社が2013年3月より提供している透明スクリーンは,透明なフィルム上に光を透過する部分と光を拡散する部分を交互に配置し,このフィルムを透明なガラスやアクリル板に貼ることで,背景が見える状態で,プロジェクターの映像を空中に浮いているように表示できる。
しかし,映像をよりクリアに,より鮮やかに表示するには,スクリーン内で光を拡散する部分を多くする必要があり,映像の輝度を高めるとスクリーンの透明性が損なわれ,逆に透明性を高めるとクリアで鮮やかな映像表示が困難になるという課題があった。
今回の透明スクリーンは,独自の光学レンズ構造により,高い透明性(Haze値0.9%)と液晶モニターに相当する高輝度(700cd/m2)という2つの特長を両立している。
そのため,設置するホテルフロントの照明設備などの環境を変えることなく,明るい日中でもバーチャルキャラクターを浮遊感のある鮮明な映像で表現できることが高く評価され,採用された。
同社は,ホテルのフロント業務のほか,公共施設や店舗,企業のショールーム,イベント会場などでの利用に向けて透明スクリーンとバーチャル接客サービスを提供していくという。