金沢大学の研究グループは,物体の3次元形状計測が可能な高精度レーザー距離計の開発に成功した(ニュースリリース)。
日本のモノづくりを支える工場などでは,自動組み立て装置や自動検査システムなど,コンピューターを使ったさまざまな製造・品質検査が実施されている。このようなコンピュータービジョンにおいては,対象となる物体の形状を即座に高解像度で計測できる機器が必要とされている。
今回の研究では,周波数変調した連続波であるFMCW技術を活用し,3μmの高精度で,およそ30秒以内で,対象物体の3次元形状計測(プロファイリング)を行なえる新しい形状計測器を開発した。
この計測器は,高精度かつ短時間で計測できることに加え,高感度であるため測定対象の材料を選ばないこと,周囲の電磁波の影響を受けないため雑音の多い環境でも計測可能であることといった特徴を有し,遠隔からの形状計測も可能にするという。
研究グループは,今回の研究は自動車などの工業製品だけではなく,自動運転のための光レーダーや医療用の光断層診断装置にも応用できるとしている。