資生堂は,塗布した日焼け止めが太陽の熱などで温められると紫外線防御成分が膜内で均一に広がり,紫外線防御効果が高まる技術を世界で初めて開発した(ニュースリリース)。
均一に塗れているようにみえる日焼け止めでも,紫外線防御成分のような分子レベルのものを均一にすることは非常に困難である。しかし紫外線防御成分は不均一な状態だと紫外線防御効果を効率よく発揮できないという課題があった。
同社の調査によると,天気の良い日に屋外で太陽に当たると,人の体表温度はわずか数分で約 40℃にまで達するという。そこで同社は,太陽の熱エネルギーを利用して紫外線防御効果を高める研究に着手。その結果,太陽などから得られる熱エネルギーを利用して,従来困難とされてきた紫外線防御成分の均一性を分子レベルで向上させることに成功した。
熱エネルギーセンサーが熱を感知すると,紫外線防御成分と共に塗布膜中で均一に広がり,整った状態を維持する。このため,紫外線防御成分がその能力を十分に発揮できるようになり,紫外線防御効果が向上したという。
同社では,この新技術を日焼け止め製品に順次応用していく予定だとしている。