上智大ら,X線で銀原子のDNAコーティングを観察

著者: admin

上智大学は,デンマークコペンハーゲン大学と共同で,16個の銀原子をDNAでコーティングしたナノサイズの蛍光物質「DNA-銀ナノクラスター」の立体構造を観察することに成功した(ニュースリリース)。

銀は宝飾品や貨幣,食器のほか,食品添加物などにも幅広く利用されている。これをナノメートルサイズの超微粒子にすると,金属としての銀とはまったく異なる性質を示す。例えば,数個~30個程度の銀原子が集合してできる「銀ナノクラスター」は,蛍光や触媒活性などを示すことが知られている。

今回,研究グループは,緑色光を照射すると遠赤色光(近赤外線)を発するという性質を持ち,生物の遺伝物質であるDNAと人体に無害な金属である銀でできていることから,細胞内の生体分子の可視化や,それに基づく病気の診断など,幅広い分野への応用が期待できるという「DNA-銀ナノクラスター」を対象に研究を行なった。

X線結晶解析を用いて「DNA-銀ナノクラスター」の立体構造を解析した結果,16個の銀原子の集団(クラスター)に2本のDNAが巻きついてコーティングされている様子を観察することに成功した。

研究グループは今回の研究成果によって,これまで試行錯誤だったDNA-銀ナノクラスターの設計が合理的になるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 公大と兵県大、有機ホウ素錯体の蛍光色変化を超高圧下で観測

    大阪公立大学と兵庫県立大学は、分子内π-π相互作用が、圧力に対する蛍光色の可逆的変化(PFC)に与える影響を調べるため、シクロファン部位をもつ有機ホウ素錯体pCPHとpCP-iPrの単結晶をダイヤモンドアンビルセル(DA…

    2025.12.26
  • 兵県大ら,光で働くDNA修復酵素のしくみを解明

    兵庫県立大学,大阪大学,筑波大学は,DNAの損傷を光で修復する酵素の反応過程を詳しく解析し,独自開発の分光計測技術を用いて,修復反応の途中で一時的に現れるオキセタン中間体を世界で初めて実験的に捉え,その存在を裏付けること…

    2025.09.03
  • 京大,金ナノクラスターの触媒活性を大きく向上

    京都大学の研究グループは,単一組成を有する分子状の金25核ナノクラスターにおいて,保護配位子であるチオラート上の置換基として水素結合性のペプチドが樹状に分岐したペプチドデンドロンを用いることで,金ナノクラスター表面に超分…

    2025.07.18
  • 科学大,光で制御するDNA液滴分子ロボットを作製

    東京科学大学と東北大学は,照射した光の波長に応じて流動性を制御できる,DNAからなる液滴を構築し,「DNA液滴分子ロボット」への応用に成功した(ニュースリリース)。 生物の細胞では,液–液相分離で形成される液滴が,細胞の…

    2025.06.24
  • 東大,光の偏光面が回転する電場誘起旋光性を巨大化

    東京大学の研究グループは,電場印加に比例して光の旋光性が誘起,制御される現象「電場誘起旋光性(linear electrogyration)」を巨大化することに成功した(ニュースリリース)。 電場の印加によって試料を透過…

    2025.05.16
  • 京大,分光法によりDNA塩基に一瞬のねじれを発見

    京都大学の研究グループは,超高速光電子分光法と赤外分光法によって水溶液中の核酸塩基を調べ,紫外線を吸収したチミンやウラシルがC=C二重結合を強くねじった不安定な状態を形成することを発見した(ニュースリリース)。 遺伝情報…

    2025.05.14
  • 東大,光でゲノム変化を制御するゲノム合成技術開発

    東京大学の研究グループは,光で制御するトップダウン型ゲノム合成技術の開発に成功した(ニュースリリース)。 生命の設計図であるゲノムDNAを改変・合成し,医療や環境などの地球的課題を克服する新しい生物機能の開発が世界的に研…

    2025.04.16
  • 愛媛大ら,金ナノ粒子上のDNA構造と密度の影響解明

    愛媛大学と理化学研究所は,表面にDNAを修飾した金ナノ粒子を用いた標的DNA検出における,DNAの高次構造および密度の影響を明らかにした(ニュースリリース)。 直径が数~数十nmの金ナノ粒子の水溶液は,分散状態では赤色を…

    2025.03.25

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア