ウシオ電機(ウシオ)は,検査装置メーカーより受注している複数のEUVリソグラフィマスク検査装置用EUV光源(EUV光源)のうち,量産プロセス向けEUV光源が初めて検収されたと発表した(ニュースリリース)。
EUVリソグラフィは,高度な微細化が進む次世代半導体製造工程には欠かせない技術で,大手デバイスメーカーを中心に実用化に向けた検証が進んでいる。EUVリソグラフィを量産技術として確立するためには,高精細なマスクの欠陥を検査・検出するためのEUV光源の実用化が必須とされている。
同社は,オランダ応用科学研究機構(TNO)のEUV照射・分析用ファシリティ「EBL2」において,2017年3月から同社の高輝度SnLDP(レーザーアシストプラズマ放電方式)EUV光源搭載機による各種研究・評価サービスを提供するなど,高輝度EUV光源の研究・開発に取り組み,性能と信頼性を向上させてきた。
SnLDP EUV光源は,レーザーをトリガーとして電極上の錫を蒸発させ,その蒸発した錫を放電により発生させたプラズマで励起することでEUV光を取り出す方式。プラズマを発生させる錫をレーザーで励起させることでEUV光を取り出す「LPP/Sn方式」や,放電で発生させたプラズマでクセノンを励起することでEUV光を取り出す「DPP方式」に比べ,高輝度かつ省スペースが特長。
今回の検収は,こうした実績に加え検査装置メーカーに先行納入し,すでに稼働している研究開発機向けEUV光源の性能が高く評価されたもの。同社はこれにより,次世代半導体製造工程の量産プロセスに必要な,高輝度EUV光を使用したEUVリソグラフィ用マスク検査が可能となるとしている。