分子研,社会連携研究部門/TILAコンソーシアムを発足

自然科学研究機構分子科学研究所(分子研)はこの6月19日,社会連携研究部門と小型集積レーザー(TILA:Tiny Integrated Laser)コンソーシアムの発足式を開催した(ニュースリリース)。

社会連携研究部門は複数の企業など外部機関を連携し運営するオープンイノベーション拠点となり,その中に,TILAコンソーシアムが設置される。TILAコンソーシアムは,同研究所・社会連携研究部門 特任教授の平等拓範氏が取り組んできた超小型固体レーザー技術を中心に,産学官を交えた知識集約型の光科学とイノベーション拠点となり,本格的な活動を開始する。

分子研 平等氏

発足式では,まず『小型集積レーザー開発の歩みと社会連携研究部門によるイノベーションに向けて』と題し,平等氏が登壇。小型集積レーザーが創出する産業応用の可能性を説くとともに,社会実装を目指す研究開発に取り組んでいくことを強調した。

続いて特別講演として,登壇したのはレーザー学会会長の久間和生氏(農業・食品産業技術総合研究機構・理事長)で,『科学技術イノベーションの創出―TILAコンソーシアムへの期待』について講演を行なった。この中で,イノベーションが持続的経済成長と社会発展を支えるとし,そのためには産学官の役割と連携が重要と説いた。

レーザー学会 久間氏

また,イノベーション創出のためにICTを活用したフィジカル空間とサイバー空間を融合する『Society5.0』の実現を強調した。久間氏はさらに,レーザー学会に新たな専門委員会を発足する予定とも発表。新たにスマートパワーレーザー専門委員会を新設したほか,現在スマート農業へのレーザー応用専門委員会も設立を準備中という。

この後,『TILAコンソーシアムにおけるイノベーションへの取り組み』と題し,同研究所・社会連携研究部門 平等研究グループ・プログラムマネージャーの佐野雄二氏が講演を行なった。

分子研 佐野氏

佐野氏は,この3月末で終了したImPACTプログラム『ユビキタス・パワーレーザーによる安全・安心・長寿社会の実現』でプログラム・マネージャーを務めてきたが,このプログラムの一つとして小型集積レーザーとその応用開発が行なわれていた。TILAコンソーシアムはここでの研究・開発を引き継ぐ形となり,佐野氏は講演の中で,同コンソーシアムの目的と主な業務を発表した。

発足式には,TILAコンソーシアム会員企業による展示説明会も併設され,オプトクエストやパナソニックプロダクションエンジニアリングが開発するマイクロチップレーザー,ユニタックが開発するマイクロチップレーザー用パルスレーザー源,ニデックが開発する眼科手術用マイクロチップレーザーなどが出展された。

今回出展した企業はTILAコンソーシアムの会員企業だが,この他,santecや豊田中央研究所,三菱電機,デンソー,日本レーザー,東海光学,IHI,浜松ホトニクス,ハナムラオプティクス,村田製作所など18社が参画している。

このコンソーシアムには,金融機関が参画しているのも特長で,研究開発や企業によるビジネス展開を資金面で支える。これにより,小型集積レーザーの産業応用を加速させるものと期待されている。

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