独ショットは,拡張現実(AR)や複合現実(MR)技術を搭載したスマート・グラス向け高品質光学ガラスウエハー「SCHOTT RealViewTM」の次世代モデルのサンプルの販売を開始した(ニュースリリース)。
現在市場で販売されている最先端スマート・グラスの視野角は約40度だが,この次世代モデルは最大65度の視野角および屈折率1.9を実現し,より深い没入体験の提供を可能にするという。
完全な没入体験を達成するためには,人間の自然な視野のより広い範囲に仮想コンテンツを見せる必要があり,視野角の拡大と屈折率の向上が求められる。同時に,ソフトウェア開発者が人間の自然な視野範囲内で自由に仮想コンテンツを配置できるように,制限のない視野角での作業環境が必要となる。
また,高解像度で映像投影をするために,市場では品質の高い光学ガラスや,高精度の表面粗さ,高い均一性と透過率,そして最小の厚みといった特質が求められている。
同社が2018年5月に発売した初代モデルは,半導体やセンサー市場向けの従来のガラスウエハーと比べ,新しい業界スタンダードとなる薄さで,従来比10倍の狭い公差の均一な表面をもち,最先端のガラス組成で製造されている。
今回発売された次世代モデルは,熔解からウエハー加工工程までの大量生産に最適化されたガラス特性で設計されており,導光技術を採用するAR機器やMR機器に適した,非常に高い屈折率を備えているという。
同社は,次世代モデルの販売を通じて,完全な没入体験を実現するためのキー・コンポーネントを提供するとともに,AR業界の技術ロードマップの実現にも貢献していくとしている。