ウシオ電機と王子ホールディングス(王子HD)は,ウシオ製プリンタブルパターニング用光源ユニット 「VUVアライナー」を用いて,王子HDが開発するセルロースナノファイバー透明シート(CNF透明シート)「アウロ・ヴェール」上への微細パターン形成に成功した(ニュースリリース)。
アウロ・ヴェールは,ガラス並みの高い透明度を持ちながら,フレキシブル性を有し,プラスチックフィルムより高強度で高温下においても優れた低熱膨張性(高寸法安定性)を示すという。天然由来の木質パルプから作られているため,サスティナブルな社会を実現するための素材として期待されている。
VUVアライナーは,ウシオが2014年に世界で初めて開発した真空紫外光による親水化パターニング方式のアライナーで,従来のリソグラフィプロセスで必要な薬液処理や複雑な工程を必要とせず,また印刷方式のパターニングでは得られない微細パターン形成を実現する。
今回,高い親水性とフレキシブル性を有するアウロ・ヴェールでの親水化パターニングの結果,通常のパターン幅である50~100μmよりも高解像度な,L/S=10/10μmの微細パターニングに成功した。同社は今後さらなる機能性を付与することで,ウェアラブルセンサー,有機トランジスタ,バイオデバイス等への実現が期待できるとしている。
なお,5月22日~23日にグランドホール品川で開催される「FLEX Japan 2019」および6月5日~7日に東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2019」の同社ブースにて,微細パターンを形成したCNF透明シートのサンプル展示をする。