シンクランドは,既存株主であるリアルテックファンド,AIS CAPITALに加え,新たにシミックCMO,dofほか個人投資家を割当先とする第三者割当増資を実施し,りそな銀行からの融資と合わせて,総額約3.4億円の資金調達を完了した。(ニュースリリース)。
同社は,光学設計・実装技術と高速電気信号処理技術をコア技術として,中空マイクロニードルを開発する研究開発型ベンチャー企業。同社が開発するニードルは,千葉大学及び北海道大学により開発された光渦レーザー加工技術をベースとし,製造方法の工夫を行なうことで,外径100μm以下の微細針を実現した。
体内で溶解する生体適合材料を用い,従来の注射薬や経口薬を無痛かつ簡便に投薬可能な経皮薬に置き換えることができる新たなDDS(体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し,コントロールする薬物伝達システム)として,実用化開発を進めている。
今回の資金調達を基に,医薬品製造受託大手のシミックCMOとの資本提携を通じて,同社の中空マイクロニードルを用いたDDS技術開発や技術ライセンス供与による事業化を目指すとしている。
なお,同社では2018年11月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成30年度「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援(助成事業)」の採択と合わせて,シミックCMO等との共同研究契約締結を発表している。今回の資金調達は,この助成事業における共同研究に加え,事業化に向けた実用化開発を加速するもの。
シンクランドは,2014年に設立,神奈川県に本社をおき,資本金114.5百万円(増資前),社員数10名,光渦マイクロニードル,光伝送関連装置等の開発,製造および販売を行なっている。