キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は,米Sigray製のナノX線CT顕微鏡「TriLambda」を4月1日より発売する(ニュースリリース)。価格は3億円~3億5千万円。
X線CT顕微鏡(コンピューター断層撮影装置)は,X線源と検出器の間で測定物を回転させながら360度全方向からX線撮影を行ない,コンピューターで断層像に再構成して表示する装置。物体の内部の状態を把握でき,半導体,高機能材料(電池,触媒など),天然資源,ソフトマテリアルなどの内部構造の解析・検査に利用されている。
この製品は,特許取得済みの高輝度マルチターゲットX線源と放射光施設で培ったX線光学技術を備えたナノX線CT顕微鏡。40nmの空間分解能と,マルチX線エネルギーに対応し,重元素から軽元素まで幅広い材料を高コントラストで可視化できるという。
主な特長は以下の通り。
・非破壊3次元イメージングにより,同一サンプルを異なる条件下で繰り返し測定が可能
・最大80μmの観察視野での測定が可能
・X線吸収コントラストモードとゼルニケ位相コントラストモードを搭載
・マルチX線エネルギー(2.7/5.4/6.4/8.0/9.7keVなど切替え可)により幅広い材料の可視化に対応
・ツイン放物面ミラーコンデンサーにより楕円面タイプに比べ広い観察視野で均一な焦点輝度
・新設計のゼルニケ位相リングにより,ハローアーティファクトを抑制