富士フイルムの子会社であるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は,角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした,自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の製造販売承認申請を厚生労働省に行なった(ニュースリリース)。
角膜上皮幹細胞疲弊症とは,結膜と角膜の境界領域である輪部に存在する角膜上皮幹細胞が先天的もしくは外的要因によって消失することで発症する疾患。角膜が混濁し,視力の低下や,眼痛などの臨床症状が見られる。
この申請は,眼科医療機器メーカーであるニデックからの委託を受けて実施したもので,眼科領域の再生医療等製品では国内初の申請となる。 この自家培養角膜上皮は,患者自身の角膜組織の輪部から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので,同製品を移植することにより,角膜上皮を再建させ,視力,その他臨 床症状(眼痛,異物感,流涙,乾燥感など)を改善させることを目的としている。
同社は,ニデックから開発委託を受けて,イタリアのモデナ大学,大阪大学らより角膜培養に関する技術を導入し,2014年10月より国内で治験を実施してきた。なお,この自家培養角膜上皮の販売はニデックが行なう予定としている。