横国大ら,新生児用ウェアラブル黄疸センサーを開発

横浜国立大学と横浜市立大学は,ゴム材料のような柔軟材料を用いることで,光学的に新生児黄疸を計測できる,ウェアラブル型センサーを開発した(ニュースリリース)。

黄疸は,ビリルビン濃度が高くなることにより発症する疾病。日本人では98%,白人では60%の新生児が発症するといわれる。通常は自然治癒するため問題ないが,重症化すると,ビリルビンが脳に沈着し,障害を残してしまうことがある。ビリルビン濃度は出生後,5日程度増加し続けるため,その間,ビリルビン濃度をこまめに測定する必要がある。

現在,ビリルビン濃度の測定に用いられている方法は,血液検査による方法と,光学式ハンディデバイス方法がある。血液検査は高精度である一方,新生児への負担が大きくなる。ハンディデバイスは額や胸にデバイスをあて,光を発し,波長による吸光度の違いを用いて,ビリルビン濃度を求める。そのため,血液検査よりも簡便に計測することができる一方,リアルタイムで計測することができず,また,費用が高額となる。

そこで研究グループは,微細加工技術を用いて柔らかい基板上にLED,フォトダイオード(PD),IC,Bluetooth素子を載せた回路を作製した。その回路を,生体適合性が高く柔軟なシリコーンゴム材料の中に封入することにより,非常に柔軟なデバイスを開発した。さらに出生0~5日後の新生児に対して,作製したデバイスによる測定結果と,従来から用いられている血液検査,光学式ハンディデバイスによる検査の結果を比較し,相関があることを確認した。

このセンサーは,Bluetoothを介してスマートフォンやタブレット端末で黄疸度合いを経時的に確認できる。研究グループは,今回の研究により,今後,その他のバイタルサインも同時に検出できるようなデバイスへ発展することで,新生児医療の高度化が期待できるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 今回開発した“トップエミッション型” 深紫外LEDの模式図

    NICT、トップエミッション型の深紫外LEDを開発 従来構造比で電力変換効率35%向上

    情報通信研究機構(NICT)は、LEDチップを上面から光を取り出す「トップエミッション型」の深紫外LEDを開発した。電極と光取り出し部に独自の素子構造を設け、従来構造の深紫外LEDより約35%高い電力変換効率を実証した(…

    2026.10.28
  • 日亜化学工業「NVSU434A」シリーズ

    日亜化学、効率2倍・出力3倍の高性能UV-LEDを開発 300nm帯の製品群を拡充

    日亜化学工業は、300nm帯の高効率・高出力UV-LED「NVSU434A」シリーズを開発し、2027年1月に発売する予定だ。ピーク波長308nmと330nmの製品では、従来製品比で約2倍の発光効率と約3倍の光出力を実現…

    2026.10.21
  • 電通大と日亜化学、全固体電池向け軽量固体電解質を開発

    電気通信大学・教授の中村淳氏と日亜化学工業の市川諒英氏らの共同研究グループは、軽元素を主体とした新しい固体電解質材料「RbLi(Li₃SiO₄)₂」を合成し、そのリチウムイオン伝導特性と伝導機構を解明した(ニュースリリー…

    2026.10.16
  • 日亜化学、植物育成用LEDで園芸売り場の商品ロス削減・売上増を確認 

    日亜化学工業は、植物育成用LED「Hortisolis™」を搭載した照明を園芸売り場に設置して実証試験を行ない、植物の廃棄削減と売上向上を確認した(ニュースリリース)。 小売店の園芸売り場では、自然光が十分に得られないこ…

    2026.10.08
  • 【解説】半導体を支える「光」 熊本県立大の新学部から見る半導体とフォトニクスの接点

     熊本県立大学は2026年9月1日、文部科学大臣から「半導体学部半導体学科」の設置認可を受けた(ニュースリリース)。2027年4月に開設し、1学年60人、教員16人体制で半導体分野の人材育成に取り組む。  「半導体学部」…

    2026.09.23

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア