立命館大学の研究グループは,高周波セルと低周波セルで直径1mm程度の微小穴を用いた,半永久的二次元コード(POROUS CODE)の作製に成功した(ニュースリリース)。
近年,物流管理や小売において情報伝達の手段として二次元コード(QRコード等)を使用する機会が増えている。従来用いられている二次元コードは紙をベースに作成されているため,屋外等での環境では劣化等により安定的に二次元コードを読み込むことができない。
開発した二次元コードは,コンクリート,木板,金属板などの頑丈な物質に直接埋め込むため,(素材が存在する限り)半永久的に使用でき,劣化等によるトラブルの心配がない。
この二次元コードに用いる技術は,5つの微小穴で構成した高周波セル“1”と無穴の低周波セル“0”から構成されている。微小穴をカメラで撮影すると光の影により,カメラは微小穴を黒いドット(高周波画像)と認識し,情報を読み取ることができる。
実験では,照度10~6000lux(太陽光下)の広い範囲の明るさで読み取ることが確認されており,読み取りに必要な光の影は,外乱光の影響を受けにくく,さまざまな環境下で安定して読み取ることが可能だという。
この二次元コードにより,景観を損なうことなく観光地や文化財に関する情報を発信することや,「拡張現実(AR)」を用いたデジタルと現実社会とを融合した展開,公共施設でバリアフリー化に関わる案内サービス等への活用が期待されるとしている。