住友電工,AIによる太陽光発電所監視装置を開発

住友電気工業(住友電工)は,太陽光発電所向けストリング監視システムと連携し,AIで発電低下をいち早く検出し,発電量を最大化するデータ蓄積・解析装置の開発した(ニュースリリース)。2019年4月より出荷開始予定。

近年国内で建設が進む太陽光発電所は,設置後20年以上稼働するが,長期に発電量を安定して維持するには,発電低下を引き起こす各種異常を即座に検知し正常に復旧させることが非常に重要で,一般的には,異常検知するための「監視システム」が導入されている。

これまでの一般的な監視システムは,主に閾値により発電が低下しているかどうかを判定していた。例えば発電量が一定値を下回ると異常と判断し,太陽光発電の管理者に通知される仕組みとなっている。しかし,発電量は,季節,時間帯,設置地域のほか,発電所の周囲環境などさまざまな要因に依存するため,単なる閾値判定による判断では信用性に乏しく,また判定後も人間による分析・判断が必要となり,運用に経験値と労力が必要だった。

そこで同社は計測したストリング電力値を,AIを用いて異常判定し,その異常原因を緊急度別に通知する,ストリング監視システムを開発した。発電低下を捉えた際に,その原因(ヒューズやブレーカなどの異常か,木や草の影か,太陽光パネル自身の劣化か等)を特定し,さらにその異常を緊急度別に通知する。

異常判定は太陽光発電の最小単位であるストリングごとに行ない,発電所の全体地図上に異常個所を緊急度別に色で表示するため,異常個所の特定と現場作業者への正確な指示が可能になる。

同社の監視システムは,既設の電力線を通信回線として利用するPLC技術を採用するため,監視システムを導入する際に追加の通信線の布設工事を必要とせず,稼働済の既存発電所へも容易に導入可能という。同社は,今回開発した異常検出・通知装置の活用によって,異常を早い段階で高精度に検出及び通知するため,太陽光発電所の運用管理コストの低減と発電ロスの最大化に貢献するとしている。

キーワード:

関連記事

  • 核融合・光電融合・量子・宇宙、次世代成長市場の技術が集結 Photonics Innovation 2026開催

    次世代エネルギーとして期待される核融合、AIインフラの進化を支える光電融合、実用化に向けた開発が進む量子コンピューター、そして民間企業の参入が相次ぐ宇宙ビジネス。いずれも将来の成長市場として投資家の関心を集める分野であり…

    2026.10.28
  • 左 従来の光トランシーバー搭載スイッチ図 右 CPO技術搭載スイッチ 

    KDDIとBroadcom、CPO技術の共同検証を開始 AIデータセンターの省電力化へ

    KDDIは米Broadcomと、AIの社会実装に向けてネットワークインフラ技術に関する提携を締結し、両社は光通信部品を半導体チップの近くに配置する「CPO(Co-Packaged Optics)」技術の共同検証を開始した…

    2026.10.26
  • 「エッジAI半導体を実現する3Dヘテロ集積技術」プロジェクトの対象技術と課題

    東北大、半導体3D集積の産学連携組織「T-CHIPS」発足 光チップの異種集積も視野

    東北大学は、半導体先端パッケージングと異種チップ集積技術の研究開発を推進するコンソーシアム「T-CHIPS」が発足したと発表した(ニュースリリース)。プロセッサーやメモリ、シリコンフォトニクスチップなど、異なる機能を持つ…

    2026.10.21
  • 光ファイバセンシングを活用した漏水位置特定システム

    NTT、光ファイバセンシングとAIで水道管の漏水位置を15分で特定

    NTTは、福岡市管工事協同組合と共同で、光ファイバセンシングとAIを組み合わせた水道管の漏水位置特定技術の実証に成功した。地下に埋設された給水管から生じる微弱な振動を光ファイバで検出し、AIで解析することで、水平誤差75…

    2026.10.21
  • 東大が挑むAI×先端レーザー加工 Photonics Innovation 2026 プレイベントを開催

    オプトロニクス社は、11月10日(火)~12日(木)にパシフィコ横浜で光技術展示会「Photonics Innovation 2026/パワーレーザーPlus 2026」を開催する。そのプレイベントとして、東京大学 物性…

    2026.10.09

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア