東大,強誘電体トランジスタとメモリの動作原理を解明

東京大学は,強誘電体であるHfO2(二酸化ハフニウム)をゲート絶縁膜とするトランジスタが,より低電圧で動作する仕組みを実験的に解明した(ニュースリリース)。

さらにHfO2をトンネル層とする強誘電体トンネル接合(FTJ)メモリが20nm径まで微細化可能なことを理論的に解明した。ゲート絶縁膜とは金属と半導体の間に必要な絶縁膜。通常は常誘電体のシリコンまたは金属の酸化物が用いられる。

強誘電体HfO2をゲート絶縁膜として急峻なサブスレッショルド特性を示す負性容量トランジスタ(NCFET)は超低電圧で動作するトランジスタとして注目を集めているが、その動作原理は物理的に十分に解明されていなかった。またFTJメモリは大容量不揮発性メモリとして注目されているが、オン時とオフ時の抵抗比、読み出し動作時の電流などを考慮した微細化可能性は明らかではなかった。

今回,研究グループは,ゲート電流を高精度にその場測定しながらデバイス特性評価をすることで,強誘電体HfO2ゲート絶縁膜における自発分極の反転現象がサブスレッショルド特性の向上に大きく寄与することを世界で初めて実験的に明らかにした。

また強誘電体分極を含めた自己整合ポテンシャルと非平衡グリーン関数法により,HfO2 FTJメモリの電流の計算手法を構築し,材料物性と膜厚に対する依存性を系統的に調べることで,HfO2 FTJメモリが20nm径程度まで微細化できることを理論的に示した。

研究グループは,今回の研究が超低電圧で動作するNCFETと,超低消費電力で大容量なFTJメモリの設計指針に大きく貢献するものとし,今後IoTにおける端末デバイスの超低消費電力化,それによる高度なIoTネットワークの展開,ビッグデータに基づく社会サービスの充実につながると期待されるとしている。

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