エドモンド・オプティクス・ジャパンは,「極端紫外(EUV)用平面ミラー」の発売を開始した(ニュースリリース)。
このミラーは,精密研磨された多層膜ミラーで,設計波長と入射角(AOI)で反射率が最大となるようデザインされている。EUV放射のビームステアリングや高調波分離用に最適という。
同ミラーは,入射角5°と45°用をラインナップし,EUV放射においてもっとも高い反射率の波長である13.5nmでほぼ理想的な反射率になる。RoHS指令に準拠し,スーパーポリッシュされた単結晶シリコン基板にコーティングが蒸着されているため,熱的安定性に優れている。
また,同ミラーは,3ÅRMS未満の面粗さをもち,入射光の散乱を大幅に低減する。多層膜の金属/半導体コーティングには,シリコン(Si)が上層のモリブデン(Mo)/Si多層膜も含まれる。平面度は632.8nmの波長でλ/10,板厚は6.35mm。入射角45°のミラーはs偏光のビームステアリングに最適。また,入射角5°のミラーは非偏光との使用に適している。
極端紫外(EUV)用平面ミラーは,コヒーレント回折イメージング(CDI)や材料科学といった新しいアプリケーションで使用されている。CDIは,10nmに近い分解能を達成可能な非接触の撮像技術で,非常に小さなナノ構造の分析に使われている。このミラーは,高調波発生(HHG)ビームの高調波セレクターとしても機能するという。