医療機器製造・販売の日本ライフラインは,内視鏡レーザーアブレーションシステム「HeartLight(ハートライト)」について,7月から販売を開始するとともに,システムの市販後の品質,有効性および安全性を確認するため行なっていた PMS(Post Marketing Surveillance:使用成績調査)について,11月6日に304 症例の計画症例登録が完了したことを発表した(ニュースリリース)。
このシステムを用いた手技では,カテーテル内部に備えられた内視鏡を使い直視下でバルーンカテーテルを肺静脈入口部に密着させ,カテーテルの中心部から円周上に心筋組織にレーザーを照射し治療する。
内視鏡画像により心腔内を確認しながら正確に焼灼することができるため,肺静脈隔離術の有効性を高めることが期待される。また,焼灼部位毎にエネルギー量の調整が可能であることから,肺静脈狭窄や横隔神経麻痺などの合併症のリスクの低減が期待され,手技の安全性向上への寄与が見込まれるという。
心腔内の内視鏡画像の確認や,照射するレーザー出力の調整を行なうため,手技としても新規性が高く,適切に使用するためのトレーニングが必要とされており,習熟した医師の立ち合いの下で指導を受けることによって使用が可能となる。
すでに欧米で行なわれている試験においても,経験症例数が15例を超えると習熟度が向上し,手技時間が短縮するとともに,合併症の減少傾向が報告されていることから,適切なトレーニングを実施することが重要となる。
現在,日本国内でシステムを使用できる施設は21施設に限定されているが,来年1月には約30施設まで拡大し,本格的な使用が開始される見通し。同社は,システムを適切に使用できる環境を早期かつ着実に整備することで,システムの医療現場への普及に努めていくとしている。