山衛科技は光学をはじめとする,様々なタイプの測定装置,検査・分析装置機器のメーカー。自社製品の他,サーモサイエンティフィックのハンドヘルド型分析装置の販売も行なっている。
同社の金属,ガラス,半導体,MEMS等の表面粗さなどを測定する装置として,光源にLEDを用いた白色干渉計を扱っている。中でも半導体の露光工程においてコンタミを発見する装置は台湾の半導体ファウンダリ最大手のTSMCにも採用されているという。TSMCではこの装置で3μm以上のコンタミを探しているが,この装置は最小で1μmのコンタミを発見する能力を有するという。
また,同じく白色干渉計による非接触膜厚測定機もリリースしており,薄くて柔らかい膜の厚さの測定のほか,振動物の形状も測定できるという。この測定器はスピードが速いのが最大の特長だとしている。
今回同社は,「3D Lasaer Ball Bar」という,ロボットアームの校正用測定器を展示した。これはスライド式の伸長式バーの先端に金属製の球が付いたもので,この球をロボットに掴ませ,ボールの手前に取り付けられたレーザーによるドップラーシフトを計測することで,ロボットアームの動きを3次元的に正確に記録することができる。記録したロボットの動きとプログラムしたロボットの動きの誤差を検出できる。
アームの傾きは2つのエンコーダーによって記録され,角度分解能力は 1arcsec,アーム長さ分解能は0.1ppmとなっている。すぐに使うことができ,これ1台あれば複数台のロボットのアライメントが可能となる。台湾大学の范光照教授と開発した製品で,今年から発売を開始する。
同社では,この技術について「これからロボット時代を迎えるにあたって大事な技術」だとし,ロボットメーカーの多い日本市場にも大きな興味と関心を持っているという。