日立ハイテクノロジーズとナノフォトンは,ラマン分析機器事業における業務提携を開始したと発表した(ニュースリリース)。
ラマン顕微鏡は,試料にレーザーを照射することで僅かに発生するラマン散乱光を検出し,分子構造や結晶構造,化学組成,応力,歪みなど,さまざまな物性を測定する分析機器。非破壊・非接触で前処理なく大気中での測定が可能で,試料の状態を変化させることなく物質そのものの定性情報を取得できることから,材料,半導体,バイオ・メディカルなどの幅広い分野で活用されている。
日立ハイテクは,電子顕微鏡・科学機器を擁する科学システム事業のさらなる事業拡大をめざし,特定の新分野でそれぞれのニーズに応える高付加価値専用機の開発・拡販に注力している。
またナノフォトンは,ラマン分析機器の開発に特化した技術力を有しており,回折限界に迫る空間分解能と高い三次元分解能と,独自技術により高速イメージングなどを実現したラマン顕微鏡を提供している。
今回の提携により,日立ハイテクはナノフォトン製ラマン顕微鏡の販売機能の一部を担い,また両社でラマン分析機器の新製品の製造・開発を推進することで,ラマン分析事業における一貫協力体制を構築し,ラマン分析機器に関する新たなソリューションの提供をめざすとしている。