情総研,ICT経済の8期連続プラス成長を維持を発表

情報通信総合研究所は,情報通信(ICT)産業が日本経済に与える影響を把握するために「ICT関連経済指標」を用いた分析を「InfoCom ICT経済報告」として四半期ごとに公表しているが,ICT経済概況について2018年1-3月期がまとまったとして発表した。

それによると,ICT経済(関連財・サービス総合)の2018年1-3月期は,前年同期比0.9%増と8期連続でプラス成長となった。ICT関連財は7期連続,ICT関連サービスは14期連続で共にプラス成長を維持した。増加幅は縮小傾向であるものの,ICT関連財では半導体等製造装置が好調を維持している。今後を考えるにあたって,集積回路の在庫増については,前向きの「積み増し」か,生産調整につながる「積み上がり」か留意が必要だとする。

ICT関連財の2018年下期の注目点としては,①自動車等各産業分野のIoT化の進展,②クラウドサービスの普及に伴うデータセンター需要の拡大,③成熟期を迎えたスマートフォンの需要動向を挙げる。ICT経済を牽引してきたスマートフォンに変わる新たな牽引役がどこまで成長できるかが鍵となるとする。

需要面を確認すると,ICT関連設備投資(ICT関連機械受注)は4期連続で増加となった。電子計算機・半導体製造装置の増加が背景にある。また,通信機は5期ぶりにプラス成長となった。ICT関連輸出は金額ベースでは,6期連続で増加したが,数量ベースでは減少に転じた。アジアを中心にスマートフォン関連の部材需要が伸び悩んだ。一方,半導体製造装置の需要は引き続き旺盛であり,データセンター増設,IoTやAIの普及,自動車の電子化などにより今後も需要が期待されるとする。

ICT財生産については,IoTの普及や動画配信等大容量コンテンツの利用によりデータ通信量が増大しているため,データセンター需要が拡大し,そこで使う半導体メモリーの増産の必要性から,半導体製造装置の需要が拡大しているとする。当面,半導体製造装置は好調を維持する見込みだという。一方,中国政府は産業政策として「中国製造2025」を掲げ,国産品比率の向上を目指しており,内製化の加速がICT輸出の減少をもたらし,ICT財生産の動向に影響すると予測する。

ICT設備投資は,ネットを通じての動画利用の本格化によるトラヒック増による設備投資が出てくることが期待されるという。また人手不足への対応が本格的に必要となってきており,これにより情報化投資(IoT,AIやロボットの活用,セキュリティ投資等)がさらに推進される見込み。但し,情報サービス産業においても人手不足は顕在化しており,ICT関連の設備投資をするうえで,これが供給制約となる可能性を指摘する。

ICT消費は,今回のモバイル通信料の値下げが,今後,モバイルサービスの利用を活発化し,ECやコンテンツ利用がさらに増えるのか注目される。ICT輸出は,高機能スマートフォンの需要の伸びの鈍化が続くとする。さらに中国の電子部品等部材の内製化の進展が日本の半導体輸出にもたらす影響がどの程度になるか注目されるとした。

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