産総研ら,日射量予測の大外れを検出する指標を考案

産業技術総合研究所(産総研)は,筑波大学,気象庁 気象研究所と共同で,日射量予測が大幅に外れる事態を検出する「大外し検出指標」を考案した(ニュースリリース)。

太陽光発電では日射量予測情報などを利用して発電電力量を予測し,予想される需要に合わせて,水力や火力発電機などの起動停止を計画する(ユニットコミットメント:UC)。しかし,日射量予測情報が大きく外れた場合,この調整用電源に余剰または不足が発生し、需給のバランスがくずれて停電が起こる可能性がある。そのため,日射量予測の高精度化が喫緊の課題となっている。

今回考案した検出指標は,世界の4つの気象予報機関(日・欧・英・米)が提供する地球全体を予測する全球アンサンブル予測情報を併用して評価した指標で,例えば年数回から十数回しか発生しないような,予測が極端に大きく外れる事態を事前に予測する指標。この指標は,今後さらに加速していく太陽光発電システムの大量導入時代の電力の安定供給や,効率的な運用への貢献が期待されるもの。

研究グループは今後,大外し検出指標を用いた電力需給運用のシミュレーションを行なう。これにより,大外しを事前に予測できた場合に,どの程度需給バランスが改善でき,また,予測の信頼性が高い場合の調整用電源の節約などによる経済的な運用が可能となるかなどの評価を行ない,今回考案した指標の実用化を目指すとしている。

その他関連ニュース

  • 国内太陽光発電導入容量は5,040MWと前年より減少
    国内太陽光発電導入容量は5,040MWと前年より減少 2024年08月30日
  • 日本電気硝子子会社,太陽光発電によるVPPAを締結 2024年07月30日
  • 京セラら,軽量太陽光発電システムの実証実験を実施 2024年06月13日
  • 積水化学ら,ペロブスカイト太陽電池の設置実証実験 2024年03月28日
  • OIST,太陽光発電の変動性評価における新手法を開発 2024年03月13日
  • トクヤマ,低温熱分解法で太陽光パネルをリサイクル 2024年03月04日
  • 大成建設ら,窓と太陽光発電システム置換工法を開発 2024年02月21日
  • シャープ子会社,両面太陽光パネルを灌漑設備に納入 2023年10月25日