自動車部品メーカーの独HELLAは,Audi A8に搭載するレーザーヘッドランプシステムを「人とくるまのテクノロジー展2018」(パシフィコ横浜)にて展示している。
このシステムは昨年発売されたAudiの最高級グレードのセダンであるA8に搭載されているもので,ロービームとハイビームをLEDで構成し,さらに「レーザースポット」と呼ばれるレーザーヘッドランプをハイビームの補助光源として装備する。
光源には,出力3W ,波長455nmの青色半導体レーザーを白色光に変換したものを使用。高速道路などで車速が70km/hを超えると自動的に点灯するようになっており,通常のハイビームの照射距離を,レーザースポットを使うことで2倍程度(600~700m)にできるようになるという。なお,この半導体レーザーは日本製だとしている。
また,ハイビームのLEDは32個×2列で構成されており,前車や対向車を検出して配光を制御するADB(配光可変ヘッドランプ)となっている。さらに,このレーザースポットも道路のカーブなどに合わせてリフレクターを用いて3パターンの配光制御が可能になっている。
価格は「レーザースポット」の無いヘッドランプシステム(片側)のディーラー価格が3000ユーロ(約38万円)。「レーザースポット」を装備すると3500ユーロ(約45万円)になる。「レーザースポット」の装備によってヘッドランプシステムの体積は変わらない。消費電力(90W)も著しく増えることは無いという。
海外の自動車メーカーでは最高グレードの車種にレーザーヘッドランプを採用するケースが増えており,このうちHELLAはAudiのA8以外にもBMWの7シリーズにレーザーヘッドランプを供給している。他にはAudiのR8に独Automotive Lightingが,レンジローバーのヴェラールには仏Valeoが供給している。