セイコーエプソンは,日本消防設備安全センターが主催・運営する「G空間情報を利用した救助システム及び消防活動に関する検討会」に参画し,次世代の救助システムの消防救助用ウエアラブル機器として,同社のスマートグラス「モベリオBT-300」の技術を応用した「スマートマスク」と「スマートゴーグル」のコンセプトモデルを共同開発した(ニュースリリース)。
災害時,閉鎖空間に発生する濃煙や停電で視界が妨げられる環境下で,効率的かつ,安全な消防活動が行なえるよう,同社ではスマートグラスや赤外線カメラなど最新機器を活用して,周囲の状況や自分の状況が視認できる消防救助用マスク/ゴーグルの開発を進めてきた。
今回開発した「スマートマスク」は,無線により隊長の手元にある情報端末と交信を行なえる。隊長は,情報端末で隊員が置かれている状況を確認でき,現場情報の共有化が可能になる。グラスには,隊長からのテキストによる指示,赤外線カメラの映像,空気呼吸器の残量,時間経過及び方位が表示される。また,赤外線カメラの使用により,暗闇の中での要救助者の位置や高温場所の確認もできる。
「スマートゴーグル」は,「スマートマスク」と比べ,外観は軽装備仕様となっているが,グラス部分の情報表示機能は同一で,指揮隊の情報端末と無線交信もでき,現場情報の共有も可能だとしている。