名大,GaNパワーデバイス向け要素技術を加発

名古屋大学の研究グループは,縦型GaNパワーデバイスの低抵抗なゲート構造を形成するための低ダメージ溝(トレンチ)加工技術を開発するとともに,GaNパワーデバイスに使用する高性能ゲート絶縁膜を開発した(ニュースリリース)。

この研究では,GaN基板上のGaNデバイス(GaN on GaNデバイス)の社会実装を加速するために,デバイス要素技術の確立とその低コスト化を目指しており,これまでの取り組みで,その基礎技術が構築できた。

トレンチ形成のためのドライエッチングにおいては,ダメージのないトレンチ加工を実現した。トレンチ底部の角度が鋭角であると,角部に電界が集中してデバイスが破壊されるため,エッチング条件を最適化してトレンチを丸形状にすることに成功した。

このようなトレンチ加工を行なうと,表面にダメージ層が残り,デバイス性能を著しく劣化させるので,エッチングによって形成されたダメージ層を低い電力による加工条件でダメージ層を除去し,最後に低温度のアニール処理を組み合わせることにより実現した。

ゲート絶縁膜は,要求される条件を高いレベルで満たすことを確認した。従来の絶縁膜であったSiO2とAl2O3の長所を融合,短所を補い合うことを目的に両者を組み合わせたAlSiO膜を,原子層堆積法を用いてAlとSiの組成と膜厚を制御して成膜し,さらに高温アニール処理を施すことで,高性能なゲート絶縁膜を形成できることを確認した。

ゲート部は縦型GaNパワーデバイスの心臓部といえるところで,加工形状(溝底部の角部を丸くする)と加工表面のダメージ除去が低抵抗なゲートを構成する要件となる。

この研究により,両方の要件を満たす加工法を確立した。従来,GaNパワーデバイス用ゲート絶縁膜は様々な種類の絶縁膜が検討されてきたが,絶縁膜に要求される条件を高いレベルで満足させる絶縁膜はなかった。研究のAlSiO膜はそれらを満足させる特性を有し,信頼性の高いGaNパワーデバイスの実現が可能になるとしている。

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