東北大,多層膜中を透過する光に隠れた対称性を発見

東北大学は,ランダムに並べた構造の中にも隠れた対称性があり,光に同じ透過確率を与えることを見出した(ニュースリリース)。

研究グループは,AとBの2種類の誘電体多層膜(膜厚が波長の 1/4)の電磁波の透過確率を計算した。多層膜がN層ある場合には可能な多層膜の構造は2のN乗通りある。

電磁波は,異なる膜の境界面では反射(多重反射)が起こるので,透過確率も,2のN乗通り考えられた。しかし,計算結果では透過確率の値は,わずかに(N/2+1)通り(Nが偶数の場合,奇数の場合は N+1)しかなかった。

例えば,N=20だと,多層膜の構造は220=100万通りあるが,計算で得られる透過確率はわずかに11通りしかない。これは,多層膜の中に同じ透過確率を与えるような,隠れた対称性があることを示している。研究グループはこの対称性を見つけ、さらに構成する多層膜に対して整数パラメータを定義し,整数パラメータを用いた透過確率の公式を導出した。

この結果は,試行錯誤によって発見したものだが,複雑な多重反射が,一つの整数で記述できるということを示している。このことは従来の光学の概念にない,驚くべき結果だとしている。

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