JOLEDは,RGB印刷方式による有機ELパネルを世界で初めて製品化し,2017年12月5日より出荷を開始した(ニュースリリース)。
出荷を開始した製品は,21.6型4K高精細の印刷方式有機ELパネル。同社は2015年の発足以降,印刷方式による有機ELパネルの研究開発,量産技術の確立を進め,2017年4月から開発品のサンプル出荷を開始していた。
今回,製品の完成度や生産性の検証において必要とされるレベルを実現したとして,製品としての出荷を開始した。この製品は,医療用モニターへの採用が決まっているほか,さまざまなアプリケーション向けに順次出荷されるという。
製品は,画面サイズ:21.6型,画素数(横×縦):3,840(RGB)x2,160,精細度:204ppi。ピーク輝度:350cd/㎡,コントラスト比:1,000,000:1,パネル厚:1.3mmとなっている。
同社は,有機ELパネルの製造方法として,独自の「RGB印刷方式」を開発してきた。大画面に均一に一括塗布する設備技術・プロセス技術の実用化とともに,光取り出し効率が高い独自の「トップエミッション構造」により,優れた色再現性や広視野角を実現した。
「印刷方式」は,有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で,生産工程がシンプルであることから,多様な画面サイズへの展開が容易な技術として期待されている。同社は今後,現在主流となっている蒸着方式では製造が難しいとされる,中型サイズの有機ELパネル市場において,印刷方式有機ELパネルの浸透を図っていく。