紫光技研は,独自技術のプラズマ方式水銀フリー深紫外線面光源「UV-SHiPLA(シプラ)」の発光を短波長側に大幅拡張する新技術を開発し,200nm以下の真空紫外線(VUV)領域での紫外線放射の実現に成功した(ニュースリリース)。
VUVは,強力な化学物質分解能力やオゾン発生を特徴とする短波長の紫外線であり,半導体基板の表面洗浄やオゾン殺菌・消臭など様々な産業分野で用いられている。従来この波長帯域は主に低圧水銀ランプの185nmが用いられており,水銀フリーの新たな光源デバイスの登場が望まれていた。
同社は,ガラスチューブ内のXe(キセノン)ガスをプラズマ化して得られる147nmおよび172nmのVUVを,ガラス管外に効率よく取り出す技術を開発して,VUV 面光源を実現した。
チューブを並べることにより小面積から大面積まで作製せきるので,幅広い照射面に対応し,チューブ発光素子の配列による曲面可能な構造となっている。面全体で熱を逃がすため放熱容易で低コスト化が可能。
標準の8×6cmのジュールは200mW以上の高出力・均一照射ができ,電源投入後すぐにフルパワー安定発光し光量調整も容易となっている。チューブ発光素子内に蛍光体を形成してVUV+UVCの紫外発光も可能で,発光面サイズ・形状、蛍光体との組み合わせなど応用に合せた設計が可能だという。
この開発技術と試作品は,11月14日~16日に科学技術館(東京・北の丸公園)にて開催される「光とレーザーの科学技術フェア2017」で展示している。