東京大学と東北大学は,ガラスと通常の固体では振動特性が本質的に異なることを発見した(ニュースリリース)。
固体を叩くと音が出る。これは,固体に固有な分子振動のパターンが音波であるため。音波は空間的に広がった波であり,デバイ則と呼ばれる法則に従う。
しかしガラスには,このデバイ則では説明できない振動パターンがあることが古くから示唆されてきたが,それがどのようなもので,どのような法則に従うかは分かっていなかった。
研究は,分子レベルのコンピュータシミュレーションによって,ガラスに音波に加えて,音波とは全く異なる,空間的に局在化した振動があることを発見した。さらに,この局在振動は,デバイ則とは異なる全く新しい法則に従うことが明らかにした。この結果は,ガラスが通常の固体とは本質的に異なることを決定的に示すもの。
この成果は,長年論争となっていた,ガラスの振動特性の問題に終止符を打つもの。さらには,ガラスの熱的・力学的性質の基礎理解に大きなブレークスルーをもたらし,新しいガラス材料を開発する技術へと繋がるものと期待できるとしている。