東大ら,地球接近小惑星の観測に成功

東京大学は宇宙航空研究開発機構(JAXA),日本スペースガード協会と共同で,日本時間2017年10月10日,11日に地球接近天体2012 TC4の観測を実施した(ニュースリリース)。

2012 TC4は10-30mほどの小惑星。2013年2月にロシアに落下し,広範囲にわたって人的被害をもたらした隕石と同程度の大きさとなる。2012 TC4は日本時間2017年10月12日に地球に最接近した。最接近時の距離は約50,000km(地球中心と2012 TC4の中心の間の距離)と推定されている。

直径10m以上の小惑星は,地球大気に突入した際に燃え尽きずに地表に到達するため災害をもたらす。そのため,直径10m以上の小惑星は監視を重視すべき天体とされている。今回の2012 TC4の観測は,その軌道を精度良く決定することに加え,衝突危険性のある天体の軌道を正確にもとめる技術を獲得する観点でも重要となる。

木曽観測所は広い視野を特長とする口径105cmシュミット望遠鏡を主力望遠鏡とする。その観測視野は日本が保有する他の望遠鏡を圧倒しており,今回のような空を高速に移動する天体の観測や,新しい天体現象を見つけるために空を広く探査する目的に適している。

現在,木曽観測所ではシュミット望遠鏡の視野(Φ9度,焦点面にてΦ52cm)すべてを84台のCMOSイメージセンサーで覆う超広視野高速カメラ「トモエゴゼン」の開発を2018年完成予定で進めている。2017年10月3日には,カメラ筐体に4台のCMOSセンサーを搭載した試験機がファーストライト観測に成功した。

今後,1年間をかけて段階的にCMOSセンサーの数を84台にまで増やし,動画観測において国内最高感度の広視野観測を実現する。これにより,2012 TC4のような空を高速で駆け抜ける微弱な天体を捉えるのに最適な観測装置となり,今後,多くの未発見の地球接近天体が見つかると期待されるとしている。

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