日本提案の蛍光体評価方法,国際規格として発行

経済産業省は,JISを基に日本からISO(国際標準化機構)に提案した,「白色LED用セラミックス蛍光体の光学特性評価方法」が国際規格として発行されたと発表した(ニュースリリース)。

白色LEDは,クリーンで経済的なエネルギー社会の実現につながることが期待され,国内をはじめ世界的にも急速に普及しつつある。

白色LEDのエネルギー変換効率の向上には,LEDチップの発光効率に加え,チップの発光を高効率に色変換し白色光を作り出す「セラミックス蛍光体」がキーデバイスとなっている。しかし,セラミックス蛍光体の光学特性を評価する手法は国際的に標準化されておらず,日本のセラミックス蛍光体を国際展開する障害となっていた。

このため,平成26年10月に,JISR1697(白色発光ダイオード用蛍光体の積分球を用いた内部量子効率絶対測定方法)を基に,白色LED用セラミックス蛍光体の光学特性評価方法に関する国際規格原案を作成し,日本からISO/TC206(ファインセラミックス)/WG11(電気的・光学的応用)に提案した。

今回,発行された国際規格(ISO20351:ファインセラミックス-白色発光ダイオード用蛍光体の積分球を用いた内部量子効率絶対測定方法)により,これまで国際標準が制定されていなかったセラミックス蛍光体の光学特性評価方法が初めて規定された。

この国際規格は既に広く普及している複数機種の測定装置に共通して使えるよう配慮しており,測定手順上の様々な注意事項を明確に記載することにより,従来より値のばらつきを抑えた測定が可能となり,測定機関や装置間の比較精度が向上した。

この規格の発行により,高品質で信頼性の高い国産セラミックス蛍光体の研究開発が促進され,当該分野における我が国の国際競争力の強化が期待されるとしている。

経済産業省ではのISO規格発行に加え,白色LED用セラミックス蛍光体の光学特性評価方法の規格開発を継続し,これらの国際標準化についても日本が主導となって取り組むとしている。

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