オムロンは,①ドライバーが運行の状態を注視しているか,②ドライバーがどれだけ早く運転に復帰できるのか,③ドライバーが運転席にいるかの3つの指標で,「ドライバーが運転に集中できる状態か」を判断する技術を搭載した,世界初の「ドライバー見守り車載センサー」を開発した(ニュースリリース)。
また,同社の顔画像センシング技術「OKAO vision」もさらに進化,従来,出来なかった,マスクやサングラス等を着用しているドライバーの状態もセンシングすることが可能となった。
近年,自動運転に関する法整備が進んでおり,自動操舵の国際基準「UN R79」等でも改正に向けた活発な議論が行なわれている。同社は自動運転を取り巻くニーズや法整備の動向を見据えて,「ドライバーが運転に集中できている状態か否か」を判断するための,実用性の高い機能が必要と考え,「ドライバー見守り車載センサー」を開発した。
このセンサーは,昨年6月に発表した「ドライバー運転集中度センシング技術」を搭載した車載センサーをさらに進化させたもので,数十万画素クラスのカメラと赤外(940nm)LED,映像解析用のCPUからなっている。
同社では2017年度より,名古屋大学およびHMHSコンソーシアムと共同で,今回開発した「ドライバー見守り車載センサー」と心電や脈波を測る生体センサーを一般家庭の自家用車を含む幅広い車に搭載し,運転中のドライバーの多種多様なデータを収集する実証実験を行なっている。この取組を通じて,収集した実走行データを更なる技術開発に活用していくという。
同社では,2030年の自動運転技術搭載車のうち,70%程度がドライバーに運転責任があるレベル2,3だと予測。継続的に技術を進化させるとともに,実証実験に取り組むことで,「ドライバー見守り車載センサー」を2020年までに発売される自動車への採用を目指している。