奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)助教の岡田豪氏は,2016年9月19~21日に神戸大学において開催された日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウム特定セッション「ランダム系材料の科学―構造と相関する機能・物性―」において,講演奨励賞(口頭)を受賞した(ニュースリリース)。同賞は、口頭発表45件の中から若手研究者を中心に優秀な2件の発表に授与された。
受賞対象となった論文タイトルは「放射線マイクロイメージングを目的としたSm添加BaF2-Al2O3-B2O3結晶化ガラス」。
ラジオフォトルミネッセンス(RPL)とは,放射線を照射する事により新たな発光中心が生成される現象を指す。同現象により生じる発光中心の濃度およびその発光強度は放射線量に比例し,室温や光照射下においても安定なため,蛍光顕微鏡と併用する事によりサブマイクロメートルの空間分解能で放射線量分布の計測を行なう事ができる。
一方でRPLを示す材料は非常に稀である為,応用の幅が限られているのが現状。研究では,Sm添加BaF2-Al2O3-B2O3結晶化ガラス中においてRPLが発現する事を発見し,その基礎材料特性および放射線計測応用への可能性について検討した。