2025年マイクロLED世界市場,45億8,300万ドルに

矢野経済研究所では,ディスプレーメーカー,部材メーカー,製品メーカー,大学・各種研究機関等を多少として,マイクロLED世界市場の調査を実施した(ニュースリリース)。

この調査におけるマイクロLEDとは,今後,ディスプレーや車載用ヘッドランプ,バイオ・医療機器,Li-Fi(ライファイ)通信,スマート繊維などのアプリケーションに搭載可能性のある100μm以下の超小型LEDを指す。また,この調査におけるマイクロLED市場規模は,マイクロLED光源と実装工程におけるコストを推定し,算出している。

それによると,2017年のマイクロLED世界市場規模は,700万ドルの見込み。ソニーがマイクロLEDを用いた高画質ディスプレーシステムの発売を開始したことで,2017年から一部ではあるものの,市場が形成されている。

近年はマイクロLEDディスプレーの商用化に成功したソニーの他にも,AppleやFoxconnなどの大手企業もマイクロLED市場への参入を図っている。ただし,マイクロLEDはディスプレーの大量生産に向けた製造技術や装備の開発がまだ十分に実現できておらず,生産性や歩留まり,コスト,サプライチェーンなどの面において解決すべき課題が山積みされている。

当面は従来技術では対応が難しく,マイクロLEDの特性を生かしながらも従来技術並みのコスト・パフォーマンスを実現できるニッチな範囲で,ディスプレーアプリケーションを中心に採用が始まると予測する。

2017年以降ディスプレー向けを中心に採用が始まり,2020年頃にはディスプレー以外の車載用ヘッドランプやLi-Fi通信,スマート繊維,バイオ・医療機器などにも採用が開始される見込み。ただし,まだ製造技術やコスト,安全性などの面で課題が多いため,それらのアプリケーションが市場全体に占める比率は一部に止まるとしている。

一方で,ディスプレー向けの採用は拡大し,2020年におけるマイクロLED世界市場規模は2億2,400万ドル,2025年には45億8,300万ドルに拡大すると予測する。

その他関連ニュース

  • 筑波大ら,プリンターでレーザーディスプレーを作製 2024年12月20日
  • JDI,台湾Innoluxとコントラスト690倍のOLEDで提携 2024年12月03日
  • 独メルク,仏半導体測定機器企業を買収し光部門強化 2024年11月29日
  • ams OSRAM,照明向け高輝度LEDを発売 2024年11月20日
  • ams OSRAM,高効率赤外線LEDを開発 2024年11月13日
  • 日大,光で微生物の有用物質生産をコントロール 2024年11月11日
  • ニコン,LED光源に対応の実体顕微鏡用蛍光照明装置 2024年10月30日
  • ウシオ電機,SWIR域超小型LEDパッケージを開発 2024年10月29日