古河電気工業は,銅条製品と高出力ファイバーレーザーのソリューション展開を本格的に実施する(ニュースリリース)。高強度で安定的な銅のレーザー溶接を実現することで,車載用電池などの車の電動化,高機能化に参入を目指す。
同社の高出力ファイバーレーザーは,独自のファイバー構造,ビーム結合技術により高反射光耐性,高集光性を実現している。この技術により,銅やアルミなどの高反射率の難接合と言われている金属系に対する加工への適用および実用化の検討が進んでいる。
その中で,銅のレーザー溶接においては,スパッタやブローホールなどの溶接欠陥が発生しやすく,車載電池及びモーターなどの関連部品メーカーにとって,克服すべき技術課題との一つと認識されている。
同社は,レーザー溶接に最適化された銅合金に高出力ファイバーレーザーを融合させたソリューション展開を本格的に開始する。新たに素材成分や組織制御,めっきの厚みなどを最適化した銅合金に対し,高出力ファイバーレーザーと組み合わせることで,スパッタの発生が極めて少なく,ビード形状が安定な溶接を可能とする新たな融合技術を開発した。
さらに同社は溶接欠陥等のモニタリング検証も進めており,今回の銅条技術とファイバーレーザー加工技術と合わせて,同社千葉事業所のアプリケーションラボにて試すことができる。