住友電気工業 光通信研究所の林哲也氏は「長距離大容量伝送に適した結合型マルチコア光ファイバ」の開発が高く評価され,Optical Fiber Communication Conference 2017(OFC)において,米国光学会The Optical Society(OSA)より「The Tingye Li Innovation Prize」を受賞した(ニュースリリース)。
同賞は,OSAの会長を務めた故Tingye Li氏が光学・フォトニクス産業の振興に果たした世界的な功績を讃えて2013年に創設された賞。光通信関連で世界最大の国際会議であるOFCと,レーザー・光エレクトロニクス関連で世界最大規模の国際会議であるCLEOにおいて,それぞれ毎年1名の最も革新的なアイデアを提示した39歳以下の若手研究者に授与される。
受賞対象となった講演は「125-µm-cladding Coupled Multi-core Fiber with Ultra-low Loss of 0.158 dB/km and Record-low Spatial Mode Dispersion of 6.1 ps/km1/2,」。現行の光ファイバー伝送技術では対処困難な将来の通信トラフィックの増大に対して,現実的な解を提示したことが高く評価された。