島津製作所は,異物など微小な試料の分析向けに,エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)とフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)で共通に使用できる同社独自の試料保持・保管容器「EDXIR-Holder(イーディーエックスアイアール ホルダー)」を4月5日に発売した(ニュースリリース)。
食品などをはじめとする幅広い業界において,様々な工程で製品に混入しうる異物の分析には,金属などの無機元素の同定に適したEDXや,樹脂などの有機物の分析に優れるFTIRなどが用いられている。
EDXとFTIRで共通して使用可能なこの製品は,試料を付着させる粘着面と蛍光X線分析用のポリプロピレン面を配した開閉式の容器。粘着面で試料を保持し,EDXでの測定時には容器を閉じてポリプロピレン面を下に向けてセット,FTIRでの測定時には容器を開けた状態で粘着面の試料をATRプリズム側に直接押し当ててセットすれば,それぞれの装置で分析をスタートできる。
従来,微小な試料をEDXとFTIRで分析するには,ピンセットで試料をセットし直すなど煩雑な作業が必要だったが,「EDXIR-Holder」を用いることで作業の省力化が図れることに加え,測定後は容器を閉じることで試料を保管できる。